Ⅱ型呼吸不全とは

Ⅱ型呼吸不全とは、呼吸機能の低下による状態です。
通常、人間の呼吸は自動的に行われていますが、Ⅱ型呼吸不全では正常な呼吸が妨げられ、息苦しさや酸欠状態が生じます。
Ⅱ型呼吸不全のメカニズムは、一部の肺胞の硬化や気道の狭窄により、肺の酸素取り込みや二酸化炭素の排出がうまくできなくなることによって引き起こされます。
このような状態は、高齢者や喫煙者、肺疾患の患者などでよく見られます。
Ⅱ型呼吸不全の原因
Ⅱ型呼吸不全は、様々な原因によって引き起こされます。
主な原因としては、肺疾患や心臓疾患、神経筋疾患などが挙げられます。
特に喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺水腫、気管支炎などの肺疾患はⅡ型呼吸不全の主要な原因です。
心臓疾患としては、心不全や冠動脈疾患が関与することがあります。
また、筋力低下や神経筋障害、中枢神経系の疾患などもⅡ型呼吸不全の原因となりえます。
これらの疾患や原因によって、呼吸器の機能が低下し、酸素の摂取や二酸化炭素の排出が十分に行われなくなることがⅡ型呼吸不全の発症原因とされています。
Ⅱ型呼吸不全の症状
Ⅱ型呼吸不全は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺気腫などの呼吸器疾患によって引き起こされる状態です。
一般的な症状としては、息切れや呼吸困難があります。
また、肺の機能低下によって酸素供給が不十分になり、頭痛や集中力の低下、倦怠感などの体の異常も見られます。
進行すると、肺性心や肺高血圧症などの合併症が現れることもあります。
Ⅱ型呼吸不全の治療法
Ⅱ型呼吸不全の治療の目的は、患者の呼吸機能を改善し、酸素供給を安定させることです。
基本的なアプローチとしては、酸素療法や人工呼吸器の使用があります。
酸素療法は、酸素を供給することで患者の酸素飽和度を上げることが目的です。
酸素マスクや酸素カニューレを使用して、患者さまに必要な酸素を与えます。
人工呼吸器は、患者が自力で呼吸が困難な場合に使用されます。
人工呼吸器は、気道にチューブを挿入し、機械的に吸気と呼気を制御します。
これにより、肺機能の補完や負荷の軽減が図られます。
薬物療法としては、気管支拡張薬やステロイド薬の使用があります。
気管支拡張薬は気道の拡張を促し、呼吸困難の症状を緩和する効果があります。
ステロイド薬は気道の炎症を抑える効果があり、症状の進行を防ぐことができます。
補助療法としては、呼吸リハビリテーションや栄養サポートがあります。
呼吸リハビリテーションは患者の呼吸筋の強化や呼吸制御のトレーニングを行うことで、呼吸機能の改善を図るものです。
栄養サポートは、栄養状態を改善し、呼吸機能の回復を促すために行われます。
Ⅱ型呼吸不全の予防
Ⅱ型呼吸不全は、呼吸器の機能低下により生じる状態であり、主な原因は慢性閉塞性肺疾患や肺気腫などです。
症状としては息切れや呼吸困難、くしゃみやせきの症状があります。
予後は疾患の進行具合や治療の効果によって異なりますが、日常生活での注意点としては、喫煙やPM2.5などの外部刺激を避け、適度な運動や栄養バランスの良い食事を心がけることが重要です。
治療法としては、酸素療法や薬物療法、リハビリテーションなどがあります。
予防としては、早期の診断や治療、日常生活での正しい姿勢や呼吸法の意識を持つことが必要です。
人工呼吸器を使用されている患者さまの受け入れについて
Ⅱ型呼吸不全が進行し、人工呼吸器による呼吸管理が必要となった場合、長期的な療養先や転院先をお探しになることがあります。札幌立花病院(札幌市手稲区)では、人工呼吸器を使用されている患者さまの受け入れを行っております。転院・入院に関するご相談は、ご家族さまはもちろん、医療機関・施設のご担当者さまからのお問い合わせも承っております。
また、ご家族がいらっしゃらない、遠方にお住まいなどの理由で入院の受け入れ先にお困りの場合も、ご相談を承っております。
このページについて
本ページの内容は当院医師が監修しています。
本ページは呼吸不全に関する一般的な情報をまとめたもので、個別の診断や治療方針を示すものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
最終更新日:2026年9月2日
【参考にした情報】
一般社団法人 日本呼吸器学会「呼吸器の病気」
独立行政法人 国立病院機構 西新潟中央病院「慢性呼吸不全の定義と原因疾患」
よくあるご質問
呼吸不全とはどのような状態ですか?
呼吸の働きが十分に果たせず、体に必要な酸素を取り込めない状態です。国内では、室内の空気を吸っている状態で動脈血の酸素分圧(PaO2)が60Torr以下になった場合を呼吸不全としています。
Ⅱ型呼吸不全とはどのような状態ですか?
Ⅱ型呼吸不全では正常な呼吸が妨げられ、息苦しさや酸欠状態が生じます。
Ⅰ型とⅡ型の呼吸不全は何が違いますか?
動脈血の二酸化炭素分圧(PaCO2)が45Torr以下のものをⅠ型、45Torrを超えるものをⅡ型と分類します。Ⅱ型では酸素が不足するだけでなく、二酸化炭素が体内にたまるのが特徴です。
Ⅱ型呼吸不全の原因は何ですか?
肺の病気(慢性閉塞性肺疾患など)のほか、呼吸に関わる筋肉や神経の病気、胸郭の変形、睡眠中の呼吸の異常、薬剤による呼吸の抑制などが原因となります。
呼吸不全の原因は大きく分けて何種類ありますか?
血液中の酸素が不足する仕組みは、大きく「肺胞低換気」「換気血流比の不均等」「拡散障害」「シャント」の4つに分けられます。
慢性のⅡ型呼吸不全とは何ですか?
酸素分圧(PaO2)が60Torr以下の状態が1か月以上続くものを、慢性呼吸不全といいます。そのうち二酸化炭素がたまるものが慢性Ⅱ型呼吸不全です。